2017年10月31日(火)
10月4日(水)16時より、秋季例会に先駆けて第1回「One Asiaの会」が開催されました。
6月のキックオフ会を経ての本格開催となった今回は、約60名の方にご出席いただき、One Asiaの会
の顧問も務める飯田副理事長による開会挨拶で幕を開けました。
最初のプログラムとして「海外支局ニュース」の発表が、副委員長でフィリピン・マニラ支局長の浅井
社長(マニラ経済新聞)の進行で行われました。
各支局の会員様よりご提供いただいた、それぞれの取組みを通してのビジネス情報をスライドで披露する
と共に、当日実際に会場にお越しの支局メンバーからはスライド情報からさらに踏み込んだ旬な情報をお
話しいただきました。
ベトナム・ホーチミン支局長で副委員長も務める石川社長(ベトナムM&A)からは現地のモータリゼーション
化にみられるローカルの消費意欲について、韓国の新谷社長(NETWING)からは産業が発展した国だから
こその中小企業の進出チャンスが語られ、台湾支局長の網本COO(桔想國際)からは現地での和牛フィーバー
と相次ぐ日系商業施設のオープンについてお話がありました。中国・深圳の産業情報と今後の可能性を鎌倉
社長(ディーシーエヌ)にご説明いただき、次のプログラムの「ミニプレゼンテーション」へと移りました。
プレゼンテーションの時間は、「ビジネスマッチング委員会」執行部の神原社長(リトルクラウド)に、レギュ
ラーの委員会のダイジェスト版として進行していただきました。
発表はアジアに向けて展開していきたいとする商材・サービスについて会員企業5社(インターパーク、
エーフォース、3E GLOBAL、トレンドEXPRESS、NAL JAPAN)による1分ピッチが行われました。
メインプログラムの「パネルディスカッション」として、シンガポール支局長でOne Asiaの会 実行委員長の
株式会社スターマーク代表取締役の林 正勝 氏に進行をお願いし、「アジアの販売接点づくり」をテーマに
参加者との質疑を交えて行われました。
パネラーとして、食品輸出に関して2019年までに現状7500億から1兆円への飛躍を目指すというミッション
を掲げる農林水産省食料産業局より、食文化・市場開拓課長の 西 経子 氏と、通販大手の楽天株式会社より、
創業から参画され、EC事業の責任者として営業本部の立ち上げばかりでなく、国際事業の立ち上げも行いアジア
エリアを統括されていた常務執行役員の小林 正忠 氏にゲストとしてご登壇いただき、官としての政府の取
組みや、越境ECの現状など、それぞれの課題を挙げていただきました。
そしてアジア経営者連合会からは副委員長で株式会社YCP Japan代表パートナーの古川 英太 氏にご登壇いた
だき、海外での事業展開を考える企業を調査・コンサルティングで支援する取り組みを通して感じられる進
出時の課題についてお話をいただきました。
参加者による「飲料水の海外展開」という質問の投げかけで、農水省の西氏による「水に限らず、どの食品
も相手国の食品衛生に合致しなければならない、例えば『天然水』の定義にしても国や地域でルールが違う。
そこを確認することがまずは重要」という話から、いわゆるプレミアム飲料水に関するアジア各地でのニー
ズについて各支局メンバーにヒアリングも行われました。
小売り、卸、通販といった複数販売接点が挙げられる中、通販として楽天小林常務の「勝ち馬に乗る、
複数のサイトにバランスよく出店し様子を見る。まずは出していこう」といったお話しがありました。
他、青森のリンゴの出荷の10%が海外であるにも関わらず、産地の生産者が海外もマーケットである認
識がまだまだ薄く、海外に売り場開拓しても同じリンゴでも「産地リレー」が続かないと他国に棚を奪
われてしまうという懸念や、民間が持つイメージよりも政府がさまざまな施策を講じているにも関わらず、
事業者とのコミュニケーションがまだまだ足りないことから、商機を逃すことが散見されるといった実情
が話されました。
こうした官民のギャップを埋める存在としてアジア経営者連合会「One Asiaの会」の活動が重要である
ことを再確認しつつ、他、参加者自身の事業経験を踏まえた質疑応答が行われ、予定の時間を超過しな
がら盛会のうちに終了となりました。