2013年01月30日(水)
2013年1月30日(水)、第2回アジアビジネスマッチング委員会が開催されました。
初回の開催時に参加者全員でブレストし、今後の運営方針が定められましたが、
第2回以降は、国際的なM&A・投資・技術移転・業務提携等の具体的なビジネスマ
ッチングニーズを委員会の場で紹介していくという、画期的で新しい取り組みが
行われることになりました。
まず。委員長である有本からのご挨拶に続き、基調講演として、上海環境エネル
ギー交易所国際部門総監で、中国律師(弁護士)の范 云涛(ファン ウントウ)先
生にお話頂きました。
范先生は、日本の大手渉外法律事務所で中国法弁護士として勤務された後、上海
に帰国し、現地で日系企業の「駆け込み寺」的な存在として活躍されています。
現在、アジア大学大学院アジア・国際経営戦略研究科教授、上海対外貿易学院、
WTO研究教育学院客員教授などを務める傍ら、上海朝陽総合法律事務所パート
ナー弁護士も務め、日中関係や日中経済論、国際ビジネス法務について、理論と
現場の両方に精通した第一人者として知られています。
講演は『WTO加盟10周年を迎えた中国ビジネスの必勝法 ~失敗事例から学ぶ賢
い経営戦略~』をテーマとして、「対中と投資リスクの評価と賢い付き合い方」
「新たなチャイナリスクの予測」「WTO加盟後に整備、導入された投資貿易関連
法令とその外部評価」「[Enforcement]および産業政策、リーガルシステム、ロ
ーカリズム、ナショナリズムの台頭」「産業別に見た法整備の実施状況と外部評
価」「長期的対中投資経営を見据えたリスク管理対策」等について、わかりやす
くお話頂きました。
特に、地方政府やキーパーソン、ローカル企業とのビジネスアライアンスの重要
性については、紛争を未然に防ぐためにも、紛争を早期処理するためにも非常に
大切だという点を再認識させて頂きました。
范先生、ありがとうございました。
続いて、Hopewill Group (Holdings) Ltd.の堀会長に、ケーススタディとして現
在香港で展開されている日本の技術を用いた野菜工場の事例をお話頂きました。
中国では食品肥料の問題、残留農薬の問題が度々メディアで取り上げられていま
すが、堀会長は新しい仕組みで安全・安心な野菜を作るというビジネスにチャレ
ンジされています。
日本企業が開発した中性で軽く、保水性・保肥性に優れる「土」の技術を使い、
地代が安い香港の旧工業区において、付加価値の高いバジルを生産するというビ
ジネススキームです。
その一つ一つのノウハウには、数多くの企業の海外進出をサポートされ、現地を
知り抜いている堀会長だからこそ発想できるアイデアが散りばめられていて、事
実、販売は好調で現地メディアにも取り上げられているとのことでした。
印象深いワードとしては、「Made in Japan」ではなく「Made by Japan」の
提唱です。
確かに、Japanブランドはアジアで一定の地位を保っていますが、日本で作られ
たことが大事なのではなく、日本の技術やノウハウを使って作られるという質が
担保できれば、現地で作られた製品の方が海外では展開しやすいという点に、今
後、より一層の注目が集まるのではないかと感じました。
堀会長、ありがとうございました。
最後に、海外から日本企業に対するM&A・投資・技術移転・業務提携のオーダー
案件が紹介され、気になった案件については参加企業毎にマッチングを図ってい
く流れとなりました。
今後も、海外からの案件、日本企業の案件を抱えるコンサルファーム、法律事務
所、会計事務所、投資会社、M&A仲介会社といった業種の方はもちろんのこと、
幅広い経営者の人的ネットワークを持つ会員の皆様にご参加頂き、案件のシェア
リングを進めて多くの国際的なビジネスマッチングの土台を作って参ります。
【アジアビジネスマッチング委員会 委員長補佐】
MS-Japan 藤江